RPAが日本だけでなく世界的にも浸透してきています。Gartner社の調査では、世界でRPAの支出が年内で6億8000万ドル規模に達する見通しだといいます。また、今後はさらに増えていくとのことです。企業だけでなく、地方自治体もRPAの導入をすすめていることも、このような数字になった大きな理由の1つでしょう。

今後はもっと支出が増えていく?

6億8000万ドルという数字は、前年比57%の増加となりGartner社によると、このままのペースでいくと2022年には24億ドルに達するとみているそうです。Gartner社のバイスプレジデントのCathy Tornbohm氏は、次のように話しています。

「エンドユーザー部門では、手作業による定型業務を手っ取り早くかつ簡単に自動化する手段として、RPAの導入をしています。データを手作業で削除したりコピー&ペーストするという単純なタスクを続ける社員もいると思います。しかし、RPAがこのようなご業務を代行することで、ヒューマンエラーが減り、データの品質が向上しするのです」

Tornbohm氏によると、現在RPAを積極的に導入している企業は、保険会社、銀行、電気通信企業、公益企業です。「通常これらの組織というのは、会計システムと人事システムの異なる要素を組み合わせるのに最も苦労しています。そのため、手作業によるタスクとプロセスの自動化、もしくはレガシーシステムの機能を自動化するためにRPAを導入しています」と述べています。

Gartner社は、2018年末までに売上高が10億ドル超の企業のおよそ60%がRPAを導入して、2022年末までには大企業のおよそ85%がRPAを何らの形で導入すると予測しています。また、Tornbohm氏は「2019年までにRPAの平均価格がおよそ10~15%減少するとともに、コストの削減、精度の向上、規制準拠の改善など、RPAの技術でさらに上のビジネスでの成果を出したいと考える企業がけん引きしていくだろう」と述べています。

その一方でTornbohm氏は、RPAは決して万能の技術ではなく、ほかの自動化ソリューションのほうがよい成果を出せる可能性もあると次のように話しています。「最もRPAが活躍するのは、既存の業務やプロセスを自動化するために構造化されたデータが必要な場合です。また、レガシーシステムに自動化の機能を追加した場合、そのほかのITオプションでは接続できない外部システムと繋げたい場合などです」

また、「労働コスト削減のためだけにRPAにフォーカスしてはいけません。あくまでも自動化戦略の一環として、RPAをはじめとするツールが実現できること、それらを組織が使うことでデジタル変革をどのように支援できるについて明確にすべきです」ともTornbohm氏は述べています。

RPA市場の今後

冒頭でもお話ししましたが、Gartner社の調査によるとRPAの支出は2022年には24億ドルに達するといわれています。RPAの市場規模が拡大していくのは非常に喜ばしいことではありますが、Tornbohm氏が述べているようにRPAは万能の技術ではありません。RPAの得意とすることは業務の自動化ですが、あらゆる業務を自動化できるわけではなく、あくまでも定型ルールに沿った業務のみになります。単純なタスクというのは、どの企業にもあるとは思いますが、導入前には自社の業務の洗い出しをするのが定石です。

また今後、技術がすすんでいけば、AI+RPAといったソリューションも当たり前になってくるでしょう。こうなってくれば、RPAの市場規模はさらに拡大されていくことが予想されます。今はRPA導入の予定はなくとも、もしRPAを導入する場合、どの業務がRPAの対象となるか?というのを考えておいてもいいかもしれません。

今回のまとめ

今回はRPAにおける調査会社のGartner社の調査結果と、同社のCathy Tornbohm氏の見解についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?日本を含め世界でRPAが拡充しているのは分かっていましたが、ここまで市場規模が大きくなっているとは少し予想外だったのではないでしょうか。Gartner社が予想したように、本当に2022年には24億ドルに達するのかどうかを楽しみに待ちましょう。