すべての企業の課題である、土台のしっかりとした高利益率な経営。
過去にはモーレツ社員に代表される、マンパワーに頼った経営でも実現できていました。
ですが現在では、そのような働き方に対する風向きは強く、高い利益を確保するためには生産性を上げるほかにありません。
ではどのようにすると、高い利益を確保できるのでしょうか。
その答えは「業務の自動化」で、事業の規模に関わらず、今後は必要不可欠なサービスとなることでしょう。
本稿では業務の自動化と、人件費を中心とした固定費の問題、高い利益を確保するための方法について提案をします。

業務自動化(RPA)が不可欠な時代に

業務の自動化といえば、ほとんどの方が大企業での利用をイメージされるのではないでしょうか。
ですがじつは中小企業ほど業務の自動化が必要不可欠。
人材や人件費に関する悩みは、企業・ビジネスの規模に関わらず、現在ではすべての経営者が悩む問題です。
そのような問題の解決には、業務の自動化が必須であり、現在では自動化システムのコストも大幅に低下していることから、導入しやすくなりました。
アルバイトやパート、アウトソーシングなど、人を雇用するよりもはるかに安いコストで、大量の作業を任せられるRPAと呼ばれる自動化システムが主流になりつつあるのです。
今後はRPAによる業務自動化が、より当たり前の存在となり、小さな規模の企業ほど積極的に活用する時代が訪れるでしょう。

企業の人件費について考える

なぜRPAに代表される業務の自動化が進んでいるのでしょうか。
それは企業が抱える人件費の問題です。
中小企業の多くは、シンプルで大量の業務を高速に回転させることで価値を生み出します。
ですがその多くの業務は、現時点では人が行わなければならないものばかり。
より多くの利益を生むためには、さらに多くの業務を回転させる必要があり、そのためにはさらに人を雇わなければなりません。
とはいえ、どの企業にも、そのためだけに新たな人を増やすのは、難しいのが本音なのではないでしょうか。
たとえば以下のものは、すべて人件費に該当します。

給与・手当

給与とは従業員に支払われる報酬で、基本給だけではなく各種手当ても、すべて給与として扱われます。
残業手当から通勤手当まで、すべてが該当し、相当な金額となっている会社も多いのではないでしょうか。
従業員への給与や手当は、全額経費として計上可能です。

賞与・ボーナス

賞与は一般的にボーナスとも呼ばれ、給与とは別に夏と冬の年二回ほど支給されるものです。
相場としては給与の1.5倍から3倍までの金額ですが、企業によってもまったく異なるため、一概に基準はありません。
企業によっては、年俸制として賞与をはじめから毎月の給与に組み込んでいる場合もあります。

役員報酬

役員に支払われる報酬のことで、給与との違いは、すべてを損金として計上できないこと。
つまり経費として計上できる場合とできない場合があり、法律によって定められています。

役員賞与

役員に支払われる賞与のことで、こちらも原則的に損金計上できません。

法定福利費

従業員の各種保険料を負担する場合は、法定福利費として計上されます。
人件費とは違うものとして考えてしまいやすいのですが、従業員のために支払われる経費と考えれば、法定福利費も人件費の一部だといえるでしょう。

福利厚生費

各種祝い金など、会社が従業員のために、特別に支給しているお金のことです。
主に出産祝い金や慶忌金などが代表的でしょう。
ほかにもいわゆる福利厚生に該当する経費は、すべて福利厚生費として計上されます。

退職金

従業員が退職するときに支給されるものです。
相場は会社規定によって異なりますが、こちらも基本的には損金として計上できます。
従業員に支払われる、これらすべての経費を一人ずつに按分すると、毎月かなりの人件費がかかっていることがわかるでしょう。
実質的に、毎月の給与のおよそ1.5倍から2倍ほどが、すべて人件費なのです。

固定費と変動費

経営上の費用は、大きく分けると固定費と変動費の2つに分けられます。
固定費は人件費・賃料・水道光熱費・設備費用などで、毎月ほぼ固定の金額です。
固定費の特徴としては、仕入れなどの変動費とは違い、売上が増えても費用は変わらず一定である点だといえます。
反対に変動費の特徴は、売上の規模に応じて費用も増える点です。
どのような事業でも、売上を増やすためには、仕入れの量を増やす、顧客との接触を増やすなど、かならず経費が増えるものですよね。
これらの費用は、すべて変動費に当てはまります。
これだけを見ると、つねに一定で売上の規模に応じて変わらない固定費の方が、メリットが多そうに感じますよね。
ですが固定費を増やしてしまうビジネスには、じつはデメリットが多いのです。

固定費が増えるほど不利に

固定費が増えすぎてしまうと、できる限り短期間で売上を増やさなければ、費用が経営を圧迫します。
なぜなら固定費が高いほど損益分岐点が高くなるからです。
損益分岐点が高くなるほど、売上が毎月かかる費用を上回り、黒字化するまでに時間がかかってしまうということ。
これでは現在の変化の早い現代のビジネスには、かなり不利だといえるでしょう。
多くのスタートアップ企業が失敗してしまう理由のひとつにも、固定費を高く設定し過ぎてしまうことが挙げられます。

固定費を減らすことが利益を生み出す近道

固定費の配分よりも、変動費の配分をできるだけ多めにすることが、短期間で高い利益を生み出すポイントです。
変動費に偏るビジネスの場合は、損益分岐点が低くなりやすく、早い段階で回収・黒字化が可能。
すべてのビジネスで実現できることではありませんが、どんな企業であっても固定費を下げることは十分可能なはずです。
また固定費の中でも、売上を増やすために最も大切でありながら、比率が高くなりやすく財政を圧迫するのが人件費。
労働力と生産性を向上させつつも、人件費を抑えることが、高利益を実現するための最短ルートだといえるでしょう。
これがRPAをはじめとする、業務の自動化に注目が集まる理由です。

業務の自動化と効率化で人件費を抑える

人件費が高くなる理由は、売上を増やすための業務量が多くなるからです。
だからこそ業務の自動化により、人件費を抑えながら生産性を高める必要あります。
とくにこれまでは、ホワイトカラー層と呼ばれる、知的労働者の業務は自動化がむずかしいとされていました。
ですが近年では、IT技術やネットワーク技術の進歩により、過去にはできなかったリモートワークやロボットによる自動化が実現されています。
これらのシステムは、すでに完全に実用化済みで、先進的な企業や海外企業では、もはや当たり前のものとなりつつあるのです。
また費用に関しても、多くのベンダーが参入しており、価格競争から実用レベルの範囲まで下がっていることから、決して大手企業だけのシステムではなく、中小企業こそ導入したいところ。
まずは業務の自動化・効率化を実現できるシステムの種類についても知っておきましょう。

ITシステム・業務支援システムの導入

ITシステムや業務支援システムは、すでに多くの企業が採用しているのではないでしょうか。
たとえばサイボウズに代表されるグループウェアや、セールスフォースなどのCRM(顧客関係管理)システムが代表的なもの。
これらのシステムを活用することで、社内の連絡や決済が簡略化されて余計なフローをなくし、営業状況の見える化や売上の予測・分析までもが瞬時に可能です。
過去には人力で行っていたフローをなくしたり、人の経験値に頼らない客観的な分析までもを実現でき、生産性を大幅に向上させられます。

クラウドサービスの活用

クラウドサービスとは、社内やPCそのものにシステムを持たずに、オンライン上で完結するシステムのこと。
たとえばgmailに代表されるメーラーや、ドロップボックスなどのファイル共有などがよく知られています。
ビジネス上では、Googleの提供する、メール・ファイル共有・オフィスソフト・スケジュール管理などがパッケージングされたG Suitsなども有名です。
インターネットにさえつながっていれば、どのPCやスマホからでもアクセスできるため、場所や時間に縛られない自由な業務が可能。
つまり時間をムダにすることなく、どんな状況下からでも業務ができるということです。
クラウドサービスであれば、コストを安く抑えながら業務を手軽に効率化できます。

RPAの活用

業務の自動化に、現在最も期待されているシステムがRPAです。
RPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、その名前の通り、ロボットによる業務の自動化のこと。
業務の自動化といえば、エクセルとVBAを使ったマクロが代表的ですが、RPAとはできる業務の大きさが決定的に違います。
マクロの場合は、あくまで連携できるオフィスソフトとインターネットエクスプローラーなどで完結できるところまでです。
ですがRPAは、人のマウス操作やタイピング、ショートカットまでをもコピーして動作します。
オートメーションでカーソルが動き、まるで人が動かしているように見える様子は、新しい労働力といってもいい過ぎではありません。
実際にRPAは「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」とも呼ばれており、新しい時代の労働力とも呼べる存在なのです。
デジタルレイバーであるロボットは、何時間でも働き続けることができ、休みも必要なく、退職するリスクもありません。
つまりこれは、優秀な社員たちが担っていた単純業務を、すべてロボットに任せ、本来やるべき価値を生み出す仕事だけに注力できるということ。
このように多くの業務がロボットだけで完結できることから、人件費の削減と生産性の大幅な向上に直結します。

RPAの導入が高利益率の経営を実現する

業務の自動化や効率化ができるシステムは、業種や業務によって無数に存在します。
ですがその中でも、高利益率な経営を実現するために、確実に必要とされるシステムはやはりRPAです。
RPAがすべてではありませんが、さまざまなソフトやシステムをシームレスに自動化でき、しかもロボットの運用はプログラムを知らない社員でも可能。
ほかにもRPAを導入すると、こんなメリットがあります。

業務品質の向上

通常ならミスが起きるとは思えないシンプルな業務であっても、その数が大量であれば必ず発生します。
ですがロボットであれば、疲れや集中力の低下によるミスは起こりません。
そのためミスした場所を探し、修正する手間もなく、業務の品質は確実に向上します。

長時間労働からの解放

大量の単純業務は、わざわざ能力のある社員が、残業をしてまで手がける必要はありません。
そのような業務は、社員が退社したあとの夜間に、ロボットが自動で終わらせておくことが理想。
残りのチェックなどは、出社後に確認するだけで十分です。
長時間労働に対する世間の目は厳しくなっており、ブラック企業の存在が問題視されています。
このような問題を解決するには、長時間労働が不要になるほど生産性を高め、ライフワークバランスを向上させる必要があるでしょう。
そしてそのためにRPAは欠かせない存在なのです。

雇用による人材リスクの低減

企業には人材が欠かせません。
人材の良し悪しが成長に直結するといってもいい過ぎではないでしょう。
ですが人材には重要さと同じくらいリスクがあります。
人件費の圧迫・離職による教育コストのムダ・福利厚生・心理的なケアを含め、目に見えるものから見えないものまで、多くのコストがかかるもの。
ですがRPAはロボットのため、離職の心配はなく福利厚生や心理的なケアも不要。
このように、1年を通してかかる人材コストと比較しても、RPAは圧倒的に低コストです。

慢性的な人材不足からの解放

中小企業がつねに悩んでいる問題。
そのひとつに慢性的な人材不足が挙げられます。
景気などの社会的背景から、多くの人が安定志向で大企業への就職を希望することが多く、中小企業の場合は人材が集まりにくいことが課題となっています。
RPAであれば、新たに人材を探さずとも、同等かそれ以上の働きを任せることが可能。
生産性の向上につながります。

RPAの活用で優秀な社員ほどイノベーティブな仕事を

我が国の生産性は、ほかの先進国と比較すると、かなり低下していることは、多くの方がご存知なのではないでしょうか。
多くの原因が語られますが、要因はともかく、生産性を向上させることはすべての企業の命題。
積み上がった業務をすばやく、しかもミスなくこなす優秀な社員ほど、本来であればもっと付加価値を生み出す仕事をしてもらいたいですよね。
だからこそRPAを導入し、単純な入力業務や振り分けなどはロボットに任せて、優秀な社員にはイノベーティブな仕事に集中してもらう。
これが生産性を向上させながらも、ライフワークバランスや人材不足の問題をも解決する、中小企業が待ち望んでいた答えのひとつとなるのかもしれません。