AGS株式会社(以下、AGSとする)は、子会社を含むグループ全体でRPAの導入を進めていくと発表しました。現在は、7つの事業部と2つの子会社が55の業務に対してRPA対象とし、実行していくとのことです。今回の取り組みで、対象業務のすべてが順調に稼働した場合、年間で約1000時間の作業時間を削減できる見込みだといいます。

AGSがRPA導入を進める背景

情報サービス業であるAGSは、RPA導入支援サービスも展開している企業です。

■株式会社AGS 公式ホームページ
https://www.ags.co.jp/

今回の社内導入で得たノウハウであったり、課題を踏まえながらRPAの普及を推進していくとのことです。AGSが社内でRPAを本格的に導入するのは、同社が推進している働き方改革の一環の一環でもあります。今回の本格的な導入に先駆けて実施されたRPA導入では、以下の成果が上がったといいます。

  • 法人事業部で実績を部会資料に記載する、資料を更新する業務
  • 年間で約180時間かかっていたところ、約85%減の年間で約24時間になった。

  • 企画管理本部で、社員の有給休暇所得状況を把握する業務
  • 年間で約40時間かかってところ、約8時間に短縮できた。

RPAの導入支援をしている企業だけあって、非常に大きな成果を上げています。上記の例の中でも、180時間の作業が24時間に短縮できたというのは驚きの結果でしょう。

RPAをより身近なものへと

AGSではRPAをより身近なものに感じてもらうために、新たな取り組みとしてソフトウェアロボットの仮想社員「HARUKA」を開発しました。質問事項などをメールでHARUKAに送ると、チャットボットと連携してメールで返信するという仕組みになっています。例えば、交通費精算の申請をメールで依頼すると、本人の代わりにHARUKAが申請をします。このHARUKAを開発した背景には、他の社員に仕事を頼むような感覚を目指したとのことです。また、外出先でもグループウェアにログインすることなくさまざまな情報を受け取ることが可能です。AGSの石井進社長は、「次の日の予定が前日の夕方にメールで来るようにHARUKAに頼んでいます」と話しています。RPAの対象業務がない経営層にもRPAというものを実感してもらうために工夫したといいます。

仮想社員というのは、他の企業でも試行されていることだと思いますが、RPAを取り入れたものはAGSのHARUKAが先駆けといってもいいかもしれません。本格的に導入する前に、RPAを身近なものへと感じさせるという取り組みは非常によいことであり、他社も参考にするべきところでしょう。

今後の課題

今回の取り組みには課題も残されています。RPAの効果が薄い業務に導入したとしても、シナリオの作成に時間がかかったり、管理やライセンスのコストもかさんでしまいます。その施策として、RPAを導入して成果の大きいシナリオをいかに作成できるかがカギとなり、そのための業務の絞り込みなどを行っていくといいます。

現在、AGSのRPA導入支援サービスは15の企業が導入しています。顧客の多くは、大企業や中堅企業を中心に金融関連です。2019年3月期の売上は4500万円を見込んでいます。ただ、今も紙媒体を扱っている企業が多く、RPA導入以前にデジタル化するというのが課題となっているといいます。今後は、本格的な社内導入で得たノウハウや実績を活かし、OCRとRPAを連携したサービスなども展開していくとのことです。

今回のまとめ

今回はAGSの取り組みについてお話ししてきましたが、いかがでしたか?中でも仮想社員の「HARUKA」は非常に面白い取り組みなのではないでしょうか。