今回は、調査会社のForrester Researchが予想してオートメーションの将来についてお話ししていきたいと思います。Forrester Research社によると、オートメーションはデジタル変革の次のフェーズで中心的な役割を果たすといいます。素早い製品化、高品質および高信頼性、さらに進んだパーソナライゼーション、そして便利さの拡大などの新たなレベルの価値を顧客にもたらすとしています。

Forrester Research社が予想する2019年のオートメーション

Forrester Research社は2017年に、今後オートメーションは転換点を迎え、労働力に変化をもたらすと共に従業員の手助けとなり、新たな顧客価値を実現すると予想しました。その後、RPAベンダーの企業価値は急上昇しました。例えばUiPath社の企業価値は、2019年9月の時点で30億ドル(約3400億円)にまで到達したのです。

ロボット市場のリーダー企業であるABBはUiPath社の生産プロセスに、ほかのロボットを組み立てるロボットを導入する計画だと発表しています。また、マサチューセッツ工科大学は、AIを中心とした新しい学部の創設などの取り組みに10億ドル(約1100億円)を投資することを発表しました。

CIOやそのほかのテクノロジー担当役員、事業担当役員が、Forrester Research社が予想する転換点を迎えるオートメーションを取り入れるためには、過剰な期待をあおるような謳い文句と現実の差を見極める必要があります。Forrester Research社は今年の11月に、オートメーション業界の2019年を展望する予想手ポートを公開しています。このレポートでは、オートメーションがもたらす新たなビジネス価値に注目しています。その中でも特に重要な予想は次の3つです。

オートメーションと雇用について

オートメーションによって雇用の10%が失われるが、3%の新たな雇用が生まれるとしています。Forrester Research社では、オートメーション技術が雇用に与える影響について、2015年から調査を行っています。世間でよくいわれている予想といえば、雇用の半分近くが失われると主張するものもあります。しかしForrester Research社は今後、多くのワークフローで人間とロボットが力を合わせて作業をするようになると共に、オートメーション経済は新たな雇用を生むと考えています。

2019年には、RPAのロボットを管理できる専門家や、チャットボットや音声操作できるスキルのUIを改善できるクリエイティブな人材やデザイナー、ビジネスの課題を解決する業務プロセスの専門家などをCIOが新たに雇用するといいます。
そのため、2018年よりも多くの雇用が生み出されるとみているようです。失われると予想している雇用に関しても、労働力率が比較的低い状態が継続する状況なのであれば、必ずしも失業率の上昇につながるとは限らないとしています。オートメーションの拡充により、単純作業をロボットに任せられるようになり、従業員の労働体験にもメリットが生まれると予想しています。

企業の動きについて

企業は組織体制やフレームワークへの投資を進めていくとしています。2019年の終わりまでには、大企業の40%が、オートメーションセンターやオートメーションに関するフレームワークを設けると予想しています。オートメーションプラットフォームの選択肢(RPA、DPA、BPM、機械学習など)が増えていくにしたがって、利用ケースに応じて適切なソリューションを適用することは課題になります。

この問題に対応するため、企業はこうした問題に集中的に取り組む、統一的なフレームワークに基づき設計されたコーディネーションセンターに投資するようになるそうです。このようなオートメーションセンターは、さまざまビジネスの課題に対して基本的な対応方針であったり、技術的な互換性と統一性を確保しながら、さまざまなオートメーション技術をどのように適用すべきかを判断する役割を負うといいます。

スタートアップ企業について

スタートアップ企業の10社に1社では、人間の従業員よりもデジタルワーカーのほうが多くなるとしています。一般的に今日、大きな成功を収めている多くの企業というのは、過去の企業よりも少ない数の従業員で業務を行っています。例えば、Kodak社は1973年のピーク時には12万人の従業員を抱えていましたが、Facebookが2012年にInstagramを買収したとき、Instagramには13人しか従業員がいませんでした。

2019年にはスタートアップ企業の10社に1社程度に存在する、よりアジャイルかつリーンで規模の変化に柔軟に対応できる形で業務を行っている組織については、雇用ではなくタスクの観点から業務をとらえるようになるといいます。そして、オートメーション優先の原則に従ってビジネスモデルを構築するようになると予想されてます。

今回のまとめ

今回は調査会社のForrester Researchが予想する、2019年のオートメーションについてお話ししてきましが、いかがでしたか?なかなか的を得たものになっていたと思います。今回ご紹介してきた予想のほかにも、より実現的なソリューションが生まれることを期待したいです。