2018年になり、国内でRPAを導入する企業が多くなってきています。しかし、RPAを導入し始めているのは企業だけではありません。各県でもRPA導入の動きがみられています。今回、ご紹介するのは茨城県でRPAを導入した結果、労働時間を86%も減少できたというお話です。

茨城県がRPAを導入した結果、得られた成果とは

データ入力などをパソコン上のロボットに代行させるRPAについて、茨城県が2018年8月から3ヶ月間にわたり、4つの業務においても出る実証実験を行いました。その結果、平均で86.2%の労働時間を削減できたことが10月30日に分かりました。同日、茨城県水戸市笠原町の県庁で報告会があり、そこで成果が発表されました。

この「平均で86.2%の労働時間の削減」というのは、年換算で人件費が約550万円の削減効果になるといいます。類似するほかの40の業務にRPAを導入した場合、年間最大で約4万6千時間、人件費で約8700万円の削減効果が見込めるようです。

茨城県によると、実験対象とした4つの業務は、

  • 財務会計システムの入力(茨城県教委財務課)
  • 教職員の出張旅費の入力(茨城県立緑岡高等学校)
  • 国民健康保険事業の資料の確認(茨城県厚生総務課)
  • 漁獲情報システムデータの処理(茨城県水産試験場)

上記になります。年換算で合計で3201時間かかるところを、平均86.2%カットの2768時間のカットに成功しました。

RPAを導入することで1週間かかる作業が3時間に

この中でも財務課の会計システム入力の場合は、県立学校121校の予算配分を4半期ごとに職員1人が手作業で行っています。膨大な単純作業が続くだけでなく、数字の桁数が多いため、端末に長時間向かうことによるヒューマンエラーもあったといいます。この作業にRPAを導入した結果、本来は1週間かかるところを3時間で終わるという成果を挙げました。

今回、茨城県が導入したRPAはUiPath社のRPAでした。実証実験に共同参加したUiPath社の代理店でもあるキャップジェミニ社の担当者は、「仕事がすべてロボットに奪われるわけではありません。単純作業などはなるべくRPAに任せて、労働時間をクリエイティブな仕事に使ってほしい」と話しています。

30日行われた報告会では、茨城県職員ら約80人が出席しました。茨城県ICT戦略チームリーダーの菊地睦弥氏は「来年度に向けて本格的に導入していきたい。業務の中でぜひ活用を検討してほしい」と職員に呼びかけを行いました。

今回の例のように企業だけでなく、自治体までもがRPAの導入をして成果を挙げています。ブラック企業という言葉が生まれるくらい、業務が膨大にありサービス残業なども当たり前になっている企業が少なくないというのが現実です。ところが、そのようなブラック企業だけが注目されがちですが、自治体や教職といった場でもサービス残業などで職員が疲弊しているという事実はご存知でしょうか。

例えば教職でいえば、担当している教化の授業の合間にデスクワークをしたり、部活の顧問になっているのであれば、それだけで業務が増えますし、休日も満足にとれないといった状況がほとんどです。今回の茨城県のようなRPA導入の例が公表されることで、他県でもRPA導入の検討が増加していくことと思います。

そして、自治体や教職などでもできるだけ単純作業などRPAに任せられるところはRPAに代行してもらうことで、少しでも職員の負担を減らせることを願いたいです。2019年にはほとんどの県にRPAが導入され、その成果が続々と公表される日が楽しみです。