今月の10日にSAPジャパン株式会社、RPAテクノロジーズ株式会社、アイ・ピー・エス株式会社の3社が、中堅・中小企業向けにERPの入力業務をRPAで自動化するソリューションである「受託ロボ」の提供を開始すると発表しました。また、同日に行われた共同会見では、新しいソリューションを提供する背景や今回の協業における各社の役割についても説明しました。

新しいソリューションを受託ロボとは

受託ロボとは、SAP S/4HANA Cloudの業務オペレーターを自動化するためにRPAテクノロジーズ社が提供している「BizRobo!」に対して、SAP S/4HANA Cloud向けの追加開発を行い、パッケージングしたものになります。主な対象は年商250億円以下で利用者数が50~100ユーザー規模の中堅・中小企業で、アイ・ピー・エスによる導入サービスを含めて提供するとのことです。

受託ロボを提供する背景

今回の受託ロボを提供する背景について、SAPジャパン ゼネラルビジネス営業統括本部 第一営業部 部長の綱島朝子氏は以下のように述べています。

「当社は、グローバルで41万3000社に対してERPの導入実勢をもっており、そのうち約80%が中堅・中小企業になっています。日本では、中堅・中小企業の新規顧客数が前年から2倍、新規案件数も3倍に拡大しています。その一方で、多くの中堅・中小企業がERPを導入するにあたり、「自社に導入できる人材がいない」「システム運用ができる人材が自社にいない」「システムを使いこなせる人材がいない」といった課題を抱えているのも実情です。このような課題に対して、今回3社が協業し、RPAを活用した中堅・中小企業向けのクラウドERPソリューションを提供していきます」

受託ロボの特徴

受託ロボのクラウドERP基盤となるSAP S/4HANA Cloudは、一般的なERPパッケージと比較すると、以下のようなメリットがあります。

  • 標準で装備されている基幹業務シナリオから選択し、そのまま利用可能
  • シナリオや機能は四半期ごとに拡張
  • クラウドの運用や管理は不要
  • RPAを活用することで業務を自動化し、人材を増やすことなく生産性向上を実現する

受託ロボで活用するRPAツールであるBizRobo!について、RPAテクノロジーズ代表取締役社長の大角暢之氏は以下のように述べています。

「ERPの運用には、継続的にERP内にある情報の鮮度を保つために、人の手によるデータ入力作業が必要になります。しかし、中堅・中小企業では人材不足であったり、入力に手間や時間がかかってしまう点、人の手による入力作業ではヒューマンエラーが生じる点が問題になっていました。そこでBizRobo!を利用することにより、これまで人間が手作業で行っていた「入力」「検索」「集計」「登録」などの定型およびルーチンワークをロボットが代行するとこで、これらの問題を解決することができます」

「今回、BizRobo!とSAP S/4HANA Cloudをパッケージ化して、アイ・ピー・エスによる導入サービスまで含めて提供していきます。これにより、単なるERPソリューションではなく、中堅・中小企業にとってスケーラビリティとメンテナビリティに最適な基盤を実現することができます。そして、デジタルトランスフォーメーション時代のビジネスモデルへの進化を加速させていくのです」

アイ・ピー・エスの取り組み

SAPジャパンの設立当初から、SAP ERPに特化した導入・活用支援事業を手掛けてきたアイ・ピー・エスは、受託ロボの導入サービスとして「EasyOne Cloud」を提供するとのことです。アイ・ピー・エスの代表取締役社長の渡邉寛氏は以下のように話してします。

「この導入サービスによって、まず導入プロジェクトにおける業務変更やオペレーション負担を軽減することができます。そしてこれまで6ヶ月以上かかっていたSAP S/4HANA Cloudの導入を、RPAツールの設定および教育までを含めて約9週間ほどで完了できるようになります。運用開始後は、管理者不要でロボットによって「受注」「発注」「入出庫」「生産実績」などのデータが自動化され、SAP S/4HANA Cloudのデータを常に最新のものに保つことが可能です。また、蓄積されたデータから伝票異常値やユーザー分析、エラー分析などの分析評価も行うことができます」

「EasyOne Cloud」サービスの初期費用は980万円からとのことです。そして今回のメインである受託ロボの利用料については、利用ユーザー数によって変動しますが、月額制で1ユーザーあたり3万円程度を予定しているとのことです。

今回のまとめ

今回は中堅・中小企業向けの新たなソリューション「受託ロボ」についてお話ししてきましたが、いかがでしたか?大企業ではなく、中堅・中小企業だからこそ導入すべき内容となっており、今後、どのくらい拡充していくのかに期待です。